社員インタビュー

自動車事業部 整備士 管理責任者 寺田さん

自動車事業部 整備士 寺田さんにインタビュー!

20歳の頃から37年間整備士としてFLEXに勤め、お客様の安全を守り続けてきた寺田さんは、現役の整備士として第一線で自動車と向き合いながら、指定工場(整備だけでなく車検が行える工場)の管理責任者として工場内の整備の工程管理、検査機器管理、書類の管理、スタッフ教育まで工場にまつわるありとあらゆることを行っています。長年、ランクルとハイエースに限らずあらゆる車種を見てきた経験に裏付けられた膨大な知識と技術、そしてなによりその温かい人柄で、FLEXの誰もが頼りにしている存在です。そんな寺田さんにこれまでFLEXで過ごしてきた日々はどんなものだったのかお話を伺いました。

Q.整備士歴はどれくらいですか?

37年くらいですね。整備士学校を卒業してからFLEX一筋です。実は、入社して少し経ったくらいの頃に、先輩と合わなくて一度退職をしているんです。半年後くらいにすぐに戻ってきちゃいましたが(笑)。それからずっとFLEXで働いています。

Q.整備士になろうと決めた理由は何ですか?

昔は今よりも選べる仕事が少なかったんですが、ただ車やバイクが好きだったので、親に「行ってこい!」とお金を出してもらって整備士学校に通いましたね。

整備士 寺田さん

Q.整備をしていて楽しい!と思うのはどんな時ですか?

エンジンやトランスミッションなど、車をばらす時ですね。バラバラになったものを、元通りに納められたという感覚が楽しいですね!最近の車は、少し勉強をした人ならスムーズに組み立てられるような仕組みになってきているので、昔の車の方がばらしがいがあるというか、整備をしていて楽しいです。 今後、車のつくりはどんどん簡単な仕組みになっていくと思いますが、昔のランクルがこれから先も残ってくれていれば、俺みたいに車をばらして仕組みを見たいという、そんな若い人でも整備が楽しめるんじゃないかな。

Q.二度と整備したくない!と思うような大変だった車はありますか?

大変でも、二度と整備したくないとは思わないですね。「俺、こういう車の整備したんだよ!」って人に話せるので(笑)。 とはいえ外車で資料も無くて、知り合いに聞いても答えが返ってこないような車を整備するのはちょっと怖いですね。壊しちゃうと直すのも高いですし、部品も手に入りにくいので。

Q.今までで印象的だったのはどんな車でしたか?

2つありますね。
1つ目は、昔のスカイラインのオートマ車が変速しないという相談があったので、トランスミッションをばらして確認をしたんです。その車にあう部品に取り替えても直らなくて、再度ばらして確認しても直らなくて、根気よくもう一度ばらしてみたんです。すると、よく見たらある部品にネジを見つけたんです。「もしかしたらさらにばらせるんじゃ…?」と思ってばらしてみたら、小さな通路の中のさらに小さな通路に本当に小さなゴミが詰まっていたんです!「もしかしてこれぇー!?」と思って取り除いたら直ったんです!
車の故障原因を見つけた時の「いや〜発見しちゃったよ!」という瞬間はすごく嬉しいですね。

2つ目は、パルサーGTI-Rという車のマニュアルミッションの3速が、アクセルを踏んでもニュートラル状態で空回りしてうなってしまっていたんです。なので、ギアがすり減っていると思ってばらしてみたんですね。手でギアを回すとちゃんと回るけれど、エンジンをつけると空回りしてしまうので、他の部分がすり減っていると思って取り替えても直らなくて。なぜなのかがどうしてもわからなかったので、もう一度全部ばらして1個1個の部品をよく見てみると、ギアの軸と一緒に回る部品と外側の部品が空回りしてしまっていたんです。おそらく、製品不良で溶着されているべきところが剥がれかかっていて、手で回している分には回るけれど、エンジンをつけるとパワーが強すぎて空回りしちゃっていたんです。ギアを1つ取り替えたら簡単に直っちゃいました。
「直ったよ!」と喜ぶのと同時に、「ちゃんとよく見ろよ!」と自分で思いますね(笑)。

Q.やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

「これが原因か!」と故障の大元を見つける瞬間ですね!素直に、単純に嬉しいんですよね。こういう楽しい瞬間があるから、今まで続けてこられたんだと思いますね。

整備士 寺田さん

Q.失敗をしてしまったり、落ち込むような出来事はありましたか?

いっぱいありますよ。叩くべきところではないところを叩いて壊しちゃったり(笑)。
1番覚えているのが、入社して3ヶ月くらいだったかな、グローブボックスの下にオーディオをつけてくれと頼まれたんです。今はユニットになっていて、サイズが決まっているのですが、昔はステーから何まで車にあうように全部自分で作っていたんです。
まだ入社3ヶ月の素人だったので、先輩に聞きながらすべてのパーツを作って、取り付けをして。配線が余ったのでどうしたらいいか聞いたら「まとめて束ねて後ろの見えないところにしまっておけばいいんだよ」と言われたので、言われたようにしたんです。そうしたらお客様に納車後、配線が触れてしまったのか、燃えちゃったんです。当たり前ですがお客様にものすごく怒られました。
作業方法としては間違っていなかったんでしょうが、きちんと束ねられていなかったんでしょうね。37年くらい前の出来事ですが、はじめて直接お客様に怒られたのでよく覚えています。

昔の車は配線がものすごく複雑で、車を全部ばらさないと配線が通らないくらいでした。作業をやればやるほどやり方を段々と覚えてきて「この配線はこうやってまとめて、ここに隠した方がいいよね」と自分でもわかるようになりましたね。

Q.社内ですごいなあ、と思う人は誰ですか?

みんなすごいと思うなあ。それぞれに俺にはない得意なことがあって、それを発信できる人はすごいなあって思います。
整備をしていても稲毛民間車検工場にいる酒井くんは何でもできるし、作業も早いしすごいなあって思いますし、ランクルJEEP横浜町田店の小柴くんもたまに話すとすごいなあって思います。ランクル仙台泉店の西村くんは元々四駆をやっていた人だから、何かあると西村くんに電話するとすごくよく知っているなあって思いますね。
すぐに感動しちゃうタイプなので、自分にない知識を持っている人に「この人すごいなあ」って感動しちゃいます。

Q.この人に教わった、という人は誰ですか?

25年くらい前に地元の沖縄に帰ってしまった、2つ年上の野村さんですね。野村さんは車をばらすのが大好きで、夜中まで作業していることが多かったんです。俺は当時、早く帰りたいなあって正直思うこともあったけれど(笑)、見ていると「こうなってるんだ」「ここ、こうやって直すんだ」と学ぶことが多くて。野村さんの姿勢を見て今の道ができたというか、とにかく車をばらすことで新たな発見があるということを教えてもらいました。

地元に帰ってからもたまに電話はしていて、古い車のことでわからないことがあれば聞いたりしていました。創業50周年の時の社員旅行で沖縄に行った時に、レンタカーで空港から1時間くらいかけて会いに行きました!会うのは20年ぶりくらいでしたが、変わってなかったですね。

整備士 寺田さん

Q.整備士のキャリアの中で、こういう心構えを持っておくべきだ、と広くいうとすると?

車に乗るのはお客様だということを頭にいれながら、責任を持った整備をすることですね。 正直、ちらちらっと簡単に確認するだけでもいいんです。今の車は性能がいいので壊れにくいですし、事故につながる可能性は低いです。それでも、車種ごとに悪くなりやすい部分というのは傾向やデータがあって、そういうところは最低でも見てあげる必要があります。悪くなった部分を見逃して不具合が出てしまうと、お客様に不安を与えてしまいますし、きちんと整備をして安心して乗れる車にしてあげることが我々の責任かなと思います。

Q.明日から独り立ちする後輩に「これだけは覚えておけ!」と伝えるとしたら?

「よく見ろ」ですかね。例えば、部品を外す時に時間がかかってもいいからよく見ておくことが大切ですね。
急いで無闇に外してしまうと元に戻す時に「あれ?これどうだったっけ?」とわからなくなってしまって、余計な時間と手間がかかってしまいますし、よく見ておくことで間違った部品を外さなくて済むこともあります。これは実体験でもありますし、しっかりとよく見ることで見落としてしまいがちなことに気づけたりもします。

整備士 寺田さん

Q.お客様と接する時に気をつけていることは?

例えば、ある部分を直すと10万円くらいかかるとします。ただ、そこまで大きな問題ではなく、普通に乗っている分には現状のままでも大丈夫ということがあります。そういった場合に、お客様とよく話をして状態を伝えておくことで、自分の車の状態はこうなっているんだとお客様自身が把握することができますし、お互いに後々嫌な気持ちにはならないのかなと思います。
本当に車の状態がダメそうな時は、いくら修理代が高くなってしまってもそれは伝えます。もしかすると3万km走れるかもしれないけれど、明日ダメになるかもしれません、と。お客様を第一に、お客様それぞれにあったアドバイスというか、コミュニケーションをしていかないとダメかなと思います。
お客様がいないと仕事ができないわけですし、車検や修理をやっているところはたくさんある中でうちに来てくれるお客様には感謝しています。だからこそ、ちゃんと車を見てあげたいと思うんです。

Q.今後のフレックスに必要なことは何だと思いますか?

アフターサービスまでトータルしてサポートできる体制をきちんと作ることが大切だと思います。車を売って、売りっぱなしだとしたらお客様はいい思いをしないですし、大切な車なのでしっかりと最後までサポートしてあげる必要があると思います。
あと、FLEXはランクルとハイエースの専門店なので、営業の人も車の知識をある程度知っておく必要があります。お客様から車について質問があった時に答えられないと不安を抱かせてしまいますし、知識があることでさらに幅広い提案ができるようになるんじゃないかなと思います。

Q.寺田さんにとってのFLEXのよさとは?

正直に言うと、この歳で他の会社にいけないっていうもあるけれど(笑)、それでもFLEXにいるのは会社に来ること自体が嫌いじゃないからかな。あとは、ある程度自由にできるので、余裕を持って仕事ができる気がします。他の会社を詳しくは知らないですが、決められたことを決められた時間内でずっとやっているところもありますが、うちはギチギチにはしないですね。気持ち的にも疲れてしまいますし、これを何時までにやれとか、15分でやれとかはないです。もちろんやることはたくさんありますが、そういった面では他の会社よりも余裕があるんじゃないかな?とは思いますね。
入社して何ヶ月かしたら仕事を任せますし、わからないことがあったら絶対に聞いてくるように言っています。自由だったり余裕があるから長くいてくれる人も多いんじゃないかなと思いますね。

Q.仕事で欠かせないアイテムを教えてください。

整備士 寺田さん

工具ですね。稲毛民間車検工場はランクルとハイエース以外にもいろんな車種を受けているのですが、車種によって工具が違うのでどんどん増えてしまいます。もう二度と使わないだろこれっていうのもあります(笑)。このレンチは失くして買い換えたりもしましたが、32、3年くらい前から使っています。

整備士 寺田さん

ある日の1日の流れ

8:00
起床
9:00
会社到着
9:30〜10:00
業務開始! 請求書計算を行います
10:00〜12:00
整備などの現場作業
12:00〜13:00
お昼休憩
13:00〜18:30
引き続き整備などの現場作業
18:30〜
車検書類の整理など
20:00〜21:00
帰宅! 夕食を食べてお風呂に入ります
21:00〜23:00
TV鑑賞(主に韓国ドラマのチェック!)
23:00
就寝。TVを見ながら寝てしまうことも…!

寺田さんは2024年3月末で定年につきご退職されました。
40年間、お疲れ様でした! ありがとうございました。