飲食事業部 工場長 鶴巻さん
飲食事業部 工場長 鶴巻さんにインタビュー!
夏といえばアイス! ということで、飲食事業部が展開する無添加アイスクリームブランド「ハンデルスベーゲン」の、製造・開発を担当する鶴巻さんにお話を伺ってきました! 2023年の入社以降、美味しいフレーバーを開発し続けている鶴巻さんですが、そのユニークな発想はどこから来ているのでしょう?
Q. 今のお仕事内容を教えてください!
アイスの製造・開発がメインで、外部の方とのやりとりや、たまに催事やイベントでキッチンカーに出たりもしています。
Q. FLEXに入社される前のお仕事は?
8年くらいパティシエをやっていました。その後、2、3年調理をかじった後に、ワーキングホリデーでオーストラリアへ1年ほど行って、そこからもう1年バックパッカーをやって、戻ってきてからは老舗のフルーツ専門店で営業・販売として働いていました。
Q. FLEXに入社を決めた理由は?
中野さん(飲食事業部部長)から「工場を見に来ませんか?」とお誘いがあったんです。「FLEXってアイスもやってるんだ?」と興味を持ったのがきっかけです。ランクルプラドに乗っていてFLEXの存在は知っていたので、「あのFLEXだよね?」と。
その時点で入社の意志があったわけではなかったのですが、「どんな感じなんだろう?」と、工場を見に行ったんですよね。そこで中野さんと色々お話をして、入社を決めました。
Q. 入社してから印象は変わりましたか?
印象が変わったことはないですね。良くも悪くも、「どんなところでも頑張ろう」といった感じで、あまり先入観を持っていなかった分、大きなギャップみたいなものはそこまでありませんでした。
Q. フレーバーはどのように開発されているのですか?
2パターンあります。良い食材、アイスにしてみたい食材に出会えた時に開発するパターンと、「いちごでアイスを作って欲しい」といったようなお題があって、それに合わせて開発するパターンですが、前者の方が多いですね。開発から「こういうフレーバーを作ったんですけどどうですか?」と提案しています。
制限なく自由に作れる環境ではあるのですが、自分で制限をかけている部分はあります。何でもかんでも好き勝手に作れば良いというわけでもないと思うんですよね。無駄が出ないように、ある程度考えてから試作に移るようにしています。
Q. 開発にあたり、他社のアイスを食べたりスイーツを研究したりしますか?
めっちゃしますよ! 「どれだけ食べたか」が大切だと思うので。
開発の際は、組み合わせる食材を自分でチョイスしているので、日頃から色々なものを食べてみたり、チェックするようにしています。
パティシエ時代は個人店でケーキを作っていたのですが、その時の影響で海外に行くようになったんです。2店舗目に勤めたお店が、色々な国のケーキを、日本のフルーツや食材で表現するというパティスリーでした。そこのシェフに、海外の文化や食べ物に触れるために、「夏休みは海外へ行け」と言われて、初めて海外に行ったんです。
なので、バックパッカーをしていたのも「色々な料理を食べたい」という想いがあったんですよ。「その国のフルーツやお菓子をどれだけ食べられるか?」を目的にして、各国を回っていました。
旅の中で特に記憶に残っているのは、トルコの洋梨と、ボリビアの桃と、モロッコのみかん。どれも特別高級ということではなく、地元の人が日常的に食べている、その辺の屋台で買えるようなものなのですが、それが本当に美味しくて! 日本のフルーツも美味しいですが、現地で食べた時の香りや力強さが印象に残っています。
Q. フレーバーを開発する上でこだわっていることは何ですか?
これまで、ブラムリーアップル、梅、桜などを使ったフレーバーを開発したのですが、そのどれにも、生産者さんがいるんですよね。生産者さん達がいるからこそ、アイスにできるので、その人たちが食べて「美味しい!」と思ってもらえるようなアイスにしたいとは常に思っています。
Q. これまでで一番の自信作のフレーバーは何ですか?
なんだろうな〜、「超完熟梅ソルベ(販売中の2024年夏限定フレーバー)」ですかね。個人的に好きというのと、完熟した梅は桃のような甘い香りがするのですが酸味もあって、梅の良さをしっかり出せました。
あとは「桜さくら(2024年春限定フレーバー)」も、香料を使わず桜本来の香りがしっかり出せたなと思います。
Q. 「超完熟梅ソルベ」美味しいです! ワインやクランベリーなど、組み合わせている食材がユニークだなと感じたのですが、どのように考えられたのですか?
「超完熟梅ソルベ」に入っているワインは梅のワインなんですけど、すごく面白くて。あれを入れるか入れないかで、最後の余韻がすごく変わったんですよ。
クランベリーは、試食している時に「途中で飽きるな」と思って、箸休めというか、一つアクセントがあったら良いなと考えて入れました。
最初はもっとシンプルで、すごく酸っぱかったんですが、自分だけでなく、事業部の方達にも食べてもらって感想をもらいながら、あの味になっていきました。
Q. 作るのが簡単なフレーバーと難しいフレーバーがあったりするんですか?
ありますね〜。どのフレーバーでも、うちは安定剤や香料を使わないですし、ホモゲナイザー(圧力調整をかけて乳製品の乳化・均質を行うこと)もしないので、慣れていない人だと難しいかもしれないです。
それに、「こういうフレーバーがあったら良いよね」というアイデアはたくさん出るんですが、商品化できるくらい、美味しく作り上げられるのはほんの一握りです。
フルーツを使うことが多いですが、そのまま食べたら美味しいのに、ピューレにした途端イマイチになってしまったり、上手く香りを引き出せずに没になったものもあります。
無添加製法で美味しく作ることは、なかなかハードルが高く、難しいんですよ。
Q. 「商品化まであと一歩! 惜しかった!」というフレーバーもあるんですか?
ありますあります。そういったものは、まだ寝かせています。寝かせておくと、ある時違う角度から発想が生まれて、どんどん進んだりすることもあるんですよね。
Q. 仕事をしていてピンチに陥ったことはありますか?
ピンチ……。あまり、ピンチをピンチとは思わないですね。「ピンチがある時はチャンスだな」と思っているので、どちらかと言うと、むしろ何もない方がピンチというか、「困ったなぁ」と思うかもしれないです。改善しなければいけないことがあったとして、それなのに動きがない方が焦ります。なのでピンチはウェルカムですね。
日々の業務も、特に今は繁忙期ということもあり、大変は大変ですけど、アイスの製造・開発をやりたくてFLEXに来て、やれる環境が整っている中で仕事ができているので、その大変さも楽しんでできていますね。「昔ほど動けなくなったなぁ」という、体力的なしんどさはありますが(笑)
Q. 仕事をする上で、心がけていることは?
アイスって、人を夢中にさせてくれるじゃないですか。作る人も、食べる人も夢中になれるアイスに携われているってすごく幸せなことだと思っているんですが、そういう気持ちは人にも伝わると信じています。食べる人にも、一緒に仕事している人にも。なので、そういう幸せな気持ちを持ちながら仕事していくことですね。
Q. 今後の目標は?
今よりもっと存在感を出して、「アイスと言えばハンデルスベーゲン!」と言われるくらいになることです!
そのためには、お客様やお取引先の方々との信頼を築いていくことですね。
最近では業販のお取り扱いも始めたり、社内の他部署の人とも仕事をするようになったりと、以前よりも色んな人と関わる機会が増えました。そういった方々との繋がりも大切にして、一個一個の仕事に丁寧に向き合って、メンバーと刺激し合っていけば、自分たちにできることを少しずつ広げていけると思うんです。
結局のところ、「これをやればすぐに目標達成できる!」なんてものはなくて、誠実に「本当の意味でお客様のためになるのか?」を問いかけながら、困難から逃げずに仕事と向き合っていくしかないですよね。
Q. 今後のFLEXに必要だと思うことは?
悪いところをあまり見ない性格なので、難しい質問ですね(笑) 強いて言うなら、飲食事業部はこれまでもたくさんチャレンジしてきましたし、今もチャレンジの真っ最中なので、「このチャレンジを止めずに待っていて欲しい」です!
Q. 休日の過ごし方は?
基本的には子どもと遊んでいることが多いです! 夏はできるだけ外で遊ぶようにしているのですが、水遊びが好きなのでシャワークライミングとか、ラフティングとか、海とかに出かけていますね。
Q. 趣味は?
植物と戯れるのが好きです。塊根植物とか、多肉植物とか、庭いじりとか。それで癒されています。
家では一切料理はしないです。自分の味にもう飽きてるので、料理以外の家事を担当しています(笑)
Q. 仕事に欠かせないアイテムは?
情報収集で使うスマホですかね。色々なところにアンテナを張らなければいけないというのと、若い頃、先輩に「新聞を買って読め」と言われて以降、新聞を読むのが習慣になっているので、今はスマホで新聞を読んでいます。通勤中はほぼスマホを見ていますね。
ある一日の流れ
- 4:20
- 起床
- 4:30
- 出発!
- 6:00
- 工場着! 工場はフレックス制なので、早めに出勤。朝の誰もいない時間に一人で進めるのが好き。
- 6:00-12:00
- アイスクリームの製造業務
- 12:00-13:00
- お昼休み
- 13:00-16:00
- 発注、製造計画、メール返信、情報共有などの事務作業
- 17:30
- 帰宅。子どもの宿題を見たり、夕飯を食べたりして過ごす。